2015年3月22日日曜日

Борис Миколайович Лятошинський(ボリス・ミコライヨヴィチ・リャトシンスキー)のグラジーナ

標題の作品は交響的バラードと銘打たれています。

詩人Ада́м Бе́рнард Міцке́вич (アダム・ベルナルト・ミツキエヴィチ)の詩に由来するとのこと。

あいにく詩の参照はできず、音の推移に頼るのみですが、表現の狙いは叙景=叙情の2本立てで、すみずみまで対象を描出することにあろうと思います。

同じディスクに交響曲第1番の第2楽章があります。これは「叙情詩」という題が付されたものだったということ。

美しいものです。

ウクライナの音。キエフの音。ここに充分な集約を見ています。

at EX THEATER ROPPONGI 2013.12.21 続

もうオフィシャルな言葉は出さないようにしましょう。本稿のみで。

コンサート全体がさまざまな色彩の散りばめられた集合体となっているもので、細野氏坂本氏のデュオから、青葉市子氏、高橋幸宏氏、小山田圭吾氏、伊藤ゴロー氏、U-zhaan氏と共演者の紡ぐ音まで、音を拡大してみるとはっきりとしますが、音自体で安定し、アンサンブルで安定し、間が声によるものを除いて安定し、気遣いに満ちた完成品です。

声は、細野氏のつぶやき、青葉氏の呼吸音と空間を組み立て、同時に空間に溶け込んでいます。

楽器によって作られたテムポに対する「間のくずし」は、特に青葉氏において、聴く者の許容範囲を広く求めるものです。

この人の呼吸音に近い声と間は広く聴く者に受け容れられるでしょう。

(よくもこれだけの相手を前にくずしたなあ、と思います。)

わたしは、試しに少し大きめの音に直して、離れて聴いてみました。

声が音に溶け込んでいます。

ピアノの坂本氏が声に向けて、わずかにテムポを合わせているのです。これは秘密です。

2015年3月19日木曜日

2015年3月7日土曜日

Perpetual続報

Movement.2。

宇宙音は無機でしょうか有機でしょうか。

これは20世紀末の議論です。

電子音により宇宙の音が構成されるときに、人が関与する度合いが少なく感じられれば、無機性が高くなります。

ここで、本作ではコインが落ちるような生活音が入ります。

一気に相対化が進み、日常が傍らに現れます。

答えはいかがでしょう。

2015年3月4日水曜日

Perpetual

坂本龍一、Illuha、Taylor Deupree の3氏による「Perpetual」が届きました。

しばらく身をゆだねることになりそうです。