2015年3月22日日曜日

at EX THEATER ROPPONGI 2013.12.21 続

もうオフィシャルな言葉は出さないようにしましょう。本稿のみで。

コンサート全体がさまざまな色彩の散りばめられた集合体となっているもので、細野氏坂本氏のデュオから、青葉市子氏、高橋幸宏氏、小山田圭吾氏、伊藤ゴロー氏、U-zhaan氏と共演者の紡ぐ音まで、音を拡大してみるとはっきりとしますが、音自体で安定し、アンサンブルで安定し、間が声によるものを除いて安定し、気遣いに満ちた完成品です。

声は、細野氏のつぶやき、青葉氏の呼吸音と空間を組み立て、同時に空間に溶け込んでいます。

楽器によって作られたテムポに対する「間のくずし」は、特に青葉氏において、聴く者の許容範囲を広く求めるものです。

この人の呼吸音に近い声と間は広く聴く者に受け容れられるでしょう。

(よくもこれだけの相手を前にくずしたなあ、と思います。)

わたしは、試しに少し大きめの音に直して、離れて聴いてみました。

声が音に溶け込んでいます。

ピアノの坂本氏が声に向けて、わずかにテムポを合わせているのです。これは秘密です。