今でもなお客観化できないのが、亡友の志を語るコトバです。
「希望が潰えたんだよ。」と言いました。
それは、学生たちの中にある真実を求めようとする意志の堕落についての話題だったのです。
病人が病気であるとします。その病気であるということには、不摂生や暴飲暴食やいろいろな原因があるでしょう。でも、根本的には、原因があるからといって、その人間が病気にかかることは、本人に責任があるものではないと思います。
彼は病弱でしたが、身体を鍛えていました。それなのに、若くして死んでしまいました。今でもたまりません。私は、理解者を一人失い、また、自分の仕事について方針転換をしなくてはならなくなったのです。
それは、多くを彼に依存していたからでした。彼が引き受けている守備分担の世界は彼に任せておけばよいので、自分はそうではない領域の住人であれば済むと思っていたのです。
ついえたんだよ。それは、いずれついえないように頑張った者にもおわりをもたらすものでした。