2013年2月12日火曜日

クセナキスのEONTA

光には測定可能な圧力があります。

トランペットが止んだ時に、ピアノが音を発するのです。

しかし、それはあまりにもやわらかな静かな音なので、音をそのまま音として受けとることを許しません。

受容者の在り様を予想するのは作曲者の仕事です。

ここまでを予想しているのならば、音は光の圧力のように受け取られることを、わかっていつつ音を指示したことになります。

リヒテルの対比奏法は音楽の真の魅力を引き出したといいます。

そのとき、引き出さなければならない行程があるとすれば、それは努力や無理がその分かかっていることになります。

クセナキスはあらかじめ引き出す結果をじかに示しておきます。

わたしたちの意識は何かをひっかけてかえってきます。

フェイドアウト。DVDの映像より。