2021年7月5日月曜日

ギレリスのシューマン「アラベスク」

 わたしの師匠は、ギレリスの演奏が国際派、という俗称を得ていたことを、当然の評価であると考えていました。ベルギー、カナダ、アメリカをめぐって修道生活をしていた人物ですので、自らの経験と知識とに基づく判断でしょう。

このシューマンの録画は、アラベスクというヨーロッパ中心主義の否定的契機の表出である曲を、「ロシアの」立場から「ロシアにおける異国情緒」の感覚を残して演奏することに該当するのでしょう。タタール主義への感覚です。

面白いです。