2015年11月30日月曜日

大瀧詠一氏追悼

大瀧詠一氏の実験的営為の核心は人声が「音楽」を形成するのに必要な条件は何かを明らかにするものでした。

そこでは必ず新しいリズムとテムポが生成されたのです。

新規の形式を生まぬ創作はないものでした。

我々若い者は、あの声に聴き入りました。

しかし、音楽を形成する側は、音楽を聴かせたのです。

今になって思います。氏が信じていたものは何であったのかと。

氏は受容者の微笑みを、笑いを見越していたかったのではないか、と思うのです。

人を喜ばせたかったのではないか、と。