2013年1月2日水曜日

経済における決定論と宗教における予定調和論(1)

今日のシステム論と1980年代のシステム論とを比較して最も変化に乏しいのは如何なるパラダイムについてでしょうか。

それは、決定論についてです。

念入りに検証され洗練された理論および理論に基づいて形成された制度は、一定期間ののちに予定された成果をあげることになります。

また、決定「論」は、その予定された成果が予定どおりに挙げられることのみならず、理論および理論に基づいて形成された制度に対する全面の支持、達成への絶対的献身といった態度を測る基準にもなります。

決定論にとっての 類 例 が、我が国において自覚されたのは、所得倍増理論の成功のときだったでしょう。政府の予告通りのことが現実のものとなったものです。

しかし、我が国においては、決定論についての主調的議論はまず労働理論に関するものです。

毛沢東理論では、「固く、強く信じられ守られなければならない」というマニフェスト=宣言がなされました。

また、スターリニズムの時代に、最も激烈な決定論論議があったのも事実です。

それでは、日本ではどうであるのか。

日本の決定論は、各党派において少し性質を異にするのです。

そして、このことは教育の世界では教育理論に対する態度決定の在り方に濃淡を生んでいます。