坂本龍一氏の周辺では、1999年の段階で「LIFE」というミュージカルの試みもあって、旋律、ノイズ、そしてロゴスの相互関係についての認識は成熟しきっている。
我々の受け持ちがロゴスの所在およびその価値の確認であるとすると、例えば鮮明に思い出すのは、ハイデッガーの「火だ」という発言なのである。
20世紀の総括として、やはり否定的契機につながるロゴスの方が強烈な印象を残している。
それでは、肯定的契機につながるロゴスとは、どのようなものだったろうか。
ここに、影をくぐりぬけて光のある方へという、本来的な志向性があるはずだ。
ALVA NOTO 氏と坂本龍一氏とのコラボレーションの営みがある。