2013年12月24日火曜日

今、そこにいる自分ではない人間

今、そこにいる自分ではない人間、に対する行為であることが、教授行為の原点です。

ヴィゴツキー(Лев Семенович Выготский、 Lev Semenovich Vygotsky)が障害者教育の研究に没入した起点には、彼が研究者として生きるのと同時に行為者として施術者として相手となる人間に向かって働きかける姿勢がありました。

あるとき、身体を震わせていて、自分の行動を制御することが「できないように見受けられる」一人の人がいました。

ヴィゴツキーは、紙片を細かくちぎり、その人の前に並べたそうです。

すると紙片をたどって、歩き出したのです。

総体の行為が人間の行為であって、それは単なる部分の集合ではありません。

また、人は人に対して働きかけなくてはならない義務を持っています。

ロシア教育学の学習=教授理論の根底には、この総合性と実践性とがあります。先に挙げた4つの条件はこれに比べれば、ほとんど意味を持たないといってもいいかも知れません。