2012年1月8日日曜日

ギレリスの奏法

国際派、と目された。

また、「鋼鉄の打鍵」というフレーズが通っていた。

ベートーヴェンの皇帝協奏曲をベームと協演した音に、その「鋼鉄」を感じたことがあるが、ギレリスによる皇帝の幾つかの録音を比較して、ピアノとマイクの位置関係が協奏曲録音に与える影響を否定できなかった。

これに対して、「国際派」とは流麗で、細密な音の推移のなせるわざである。

「私ではなく、リヒテルがいる」という彼の発言に、余計な印象を受ける必要はない。

ギレリスはギレリス、リヒテルはリヒテルである。